平成16年特許法の改正について


(1)実用新案登録に基づく特許出願制度の導入

(2)実用新案権の存続期間の延長

(3)実用新案の訂正の許容範囲の拡大

(4)職務発明制度の見直し

(5)指定調査機関制度の見直し

(6)特定登録調査機関制度の導入

(7)インターネットを利用した公報発行

(8)予納制度を利用した特許料等の返還


 平成16年特許法等の改正については、特許庁ホームページ「平成16年法律改正解説書 」「平成16年度法改正説明会テキスト」も参照してください。



(1) 実用新案登録に基づく特許出願制度の導入

【改正前】

実用新案登録出願から特許出願への変更は可能であったが、実用新案登録出願は平均5ヶ月で登録されるために、特許出願への変更の機会は非常に制限されていた。

【改正後】

実用新案権が登録された後でも、出願から3年以内であれば、実用新案登録に基づく特許出願を行うことができ、この特許出願は基礎となった実用新案登録出願時に出願されたものとみなされる。

ただし、基礎となった実用新案登録出願時に出願されたものとみなされるのは、特許出願の明細書等に記載された範囲が、実用新案登録出願の明細書等に記載された範囲内であることが必要。

◆基礎となった実用新案権は、出願時に放棄しなければならない。

◆実用新案登録に対する技術評価請求が出願人又は権利者からあった場合、その後、この実用新案登録に基づいて特許出願をすることはできない。他人から実用新案登録に対する技術評価請求があった場合は、その旨の通知があった日から30日以内に限りこの実用新案登録に基づいて特許出願をすることができる。

◆実用新案登録に対する無効審判請求があった場合は、最初の答弁書の提出可能期間に限り、この実用新案登録に基づいて特許出願をすることができる。

◆実用新案登録に基づく特許出願及びこれの分割出願は実用新案登録出願へ変更することはできない。

◆実用新案登録に基づく特許出願は優先権主張の基礎とすることはできない。

◆実用新案登録に基づく特許出願の日が基礎となる実用新案登録出願の日から3年を経過していても、特許出願の日から30日以内であれば審査請求をすることができる。

【施行期日】

平成17年4月1日より(この日、以降の実用新案登録出願から適用)

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(2) 実用新案権の存続期間の延長

【改正前】

実用新案権は出願日から6年で存続期間が満了していた。

【改正後】

実用新案権の存続期間は、出願日から10年に延長

◆これにともない、登録料を改変

 1〜3年 2,100円+請求項数×100円

 4〜6年 6,100円+請求項数×300円

 7〜10年 18,100円+請求項数×900円 

【施行期日】

平成17年4月1日より(この日、以降の実用新案登録出願から適用)

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(3) 実用新案の訂正の許容範囲の拡大

【改正前】

従来は実用新案法では、訂正は請求項の削除のみ認められていた。

【改正後】

訂正できる範囲を、請求項の削除に加え、実用新案登録請求の範囲の減縮、誤記の訂正および明りょうでない記載の釈明を目的とするものも認める。

◆実用新案登録請求の範囲の減縮等を目的とする訂正は、登録後から最初の評価書の謄本送達があった日から2月か、無効審判における答弁書提出可能期間のうちのいずれか早い方を経過するまでの間に1回だけ認められる。

なお、請求項を削除する訂正については原則として期間の制限なく何度でも可能。

◆訂正後の明細書等について基礎的要件を満たしていない場合は補正命令がなされる。

【施行期日】

平成17年4月1日(この日、以降の実用新案登録出願から適用)

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(4) 職務発明制度の見直し

【改正前】

契約等によって、従業者等の職務発明についての特許を受ける権利や特許権を使用者等が予約承継したり、専用実施権を設定したりする場合、従業者等は相当の対価を受ける権利を受ける権利を有する。

この相当の対価は、

・その発明により使用者等が受けるべき利益の額、

・その発明がされるについて使用者等が貢献した程度

を考慮して定める。

【改正後】

※さらに詳しいことは、特許庁ホームページの「平成16年度新職務発明制度説明会テキスト」を参照してください。

◆契約等によって相当の対価を定める場合についての規定を追加。

(1)対価を決定するための基準の策定に際して使用者等と従業者等との間で行われる協議の状況

(2)策定された基準の開示の状況

(3)対価の額の算定について行われる従業者等からの意見の聴取の状況

を考慮する。

この結果、定めにより対価を支払うことが不合理でない場合は、定めによる対価が相当の対価となる。

◆契約等による相当の対価の定めがない場合、定めにより対価を支払うことが不合理な場合

相当の対価は、

・その発明により使用者等が受けるべき利益の額

・その発明に関連して使用者等が行う、負担、貢献、従業者等の処遇

・その他の事情

を考慮して定める。

◆対価の定めが不合理か否かは手続き面を重視し、不合理性の立証責任は従業者等が負担する。

【施行期日】

平成17年4月1日から(この日、以降に権利の承継が行われた特許出願、特許権に適用)

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(5) 指定調査機関制度の見直し

【現行制度】

公益法人のみが特許庁の審査における先行技術調査を行う指定調査機関となることができる。

【改正後】

公益法人以外の者も要件を満たせば指定調査機関となることができる。

【施行期日】

施行済み(平成16年10月1日から)

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(6)特定登録調査機関制度の導入

【現行制度】

出願人は先行技術について自ら調査したり、一般の調査機関に依頼をしたりして審査請求前の特許出願の特許性を判断している。

【改正後】

出願人は、特定調査機関のうち、特許庁長官の登録を受けた特定登録調査機関に調査を依頼することができ、特定登録調査機関が作成した調査報告を提示して審査請求を行った場合には、審査請求料の減額を受けることができる。

【施行期日】

平成17年4月1日から


(7)インターネットを利用した公報発行

【現行制度】

 磁気ディスクを媒体とした公報を発行している。

【改正後】

 磁気ディスクを媒体とした公報の発行に加えて、インターネットを利用した方法による公報の発行を可能とする。


【施行期日】

平成17年4月1日から


(8)予納制度を利用した特許料等の返還

【現行制度】

 特許庁からの特許料等の返還は現金により行われていた。

【改正後】

 特許料等の返還を予納された見込額に金額を加算することができる。

【施行期日】

施行済み(平成16年6月4日から)

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