平成14年特許法の改正について


(1)発明の実施の明確化

(2)間接侵害規定の拡充

(3)先行技術文献情報の開示制度の導入

(4)明細書からの特許請求の範囲の分離

(5)PCT出願の国内移行期間の延長等


 平成14年特許法等の改正については、特許庁ホームページ「産業財産権法(工業所有権法)の解説」も参照してください。



(1) 発明の実施の明確化(特許法2条3項等)

【改正前】

平成12年改訂審査基準によって「プログラム」を「物の発明」として扱うことにしたが、法律では明確に規定されていなかった。

【改正後】

「物」に「プログラム等」が含まれることを明確化する。また、発明の実施行為にプログラム等の「電気通信回線を通じた提供」が含まれることを明確化する。

◆プログラム等:プログラムの他に「電子計算機の処理の用に供するものであってプログラムに順ずるもの」が含まれる。具体例として、コンピュータに対する直接の指令ではないが、そのデータ自身が有する構造によりコンピュータによる処理内容が規定されるようなデータ構造などが挙げられる。

【施行期日】

施行済み(平成14年9月1日から)

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(2) 間接侵害規定の拡充(特許法第101条等)

【改正前】

これまでの間接侵害規定では、「特許が物(方法)の発明についてされている場合において、業として、その物の生産(実施)にのみ使用する物を生産等する行為」を間接侵害の要件として規定している。

【改正後】

間接侵害規定に従来の間接侵害行為に加えて、「物(方法)の生産に用いる物であって(その物が広く一般に流通しているものを除く)発明による課題の解決に不可欠なものにつき、特許発明であること及び発明の実施に用いられることを知りながら、業として生産等する行為」が間接侵害行為として追加される。

【施行期日】

平成14年4月17日から1年以内の政令指定日

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(3) 先行技術文献情報の開示制度の導入(特許法36条等)

【改正前】

先行技術文献情報を明細書中に記載する必要はない。

【改正後】

出願に係る発明に関し、出願人の知っている先行技術文献情報(刊行物の名称その他の情報の所在)を開示することを義務化する。また、審査官の求めがあっても開示が不十分である場合には、拒絶理由とする。

◆刊行物の名称その他の情報の所在:

・刊行物が特許文献である場合にはその公報番号を意味する。

・非特許文献(学術論文、一般書籍等)である場合にはその文献名・巻・号・頁出版社名等を意味する。

・インターネット上で利用可能となった情報の場合にはその(URL)を意味する。

◆先行技術文献情報が適切に記載されていない場合:

・先行技術文献情報が記載されていない場合であって、その理由がまったく記載されていないとき。

・理由は記載されているものの、特許を受けようとする発明に関連のある文献公知発明を出願時に出願人が知っていた蓋然性が高いと認められるとき。

・特許を受けようとする出願の明細書又は図面に従来技術が記載されている場合であって、当該従来技術に対応する先行技術文献情報が記載されておらず、その理由も記載されていないとき。

・特許を受けようとする発明に関連しない文献公知発明に関する情報の所在のみが記載されている場合であって、特許を受けようとする発明に関連のある文献公知発明を出願時に出願人が知っていた蓋然性が高いと認められるとき。

【施行期日】

施行済み(平成14年9月から)

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(4) 明細書からの特許請求の範囲の分離

【改正前】

願書に添付する明細書に特許請求の範囲が含まれている。

【改正後】

特許請求の範囲を明細書から独立した願書の添付書類とする。

【施行期日】

平成14年4月17日から1年6ヶ月以内の政令指定日

平成15年7月に予定される情報システムの変更にあわせて施行予定

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(5) PCT出願の国内移行期間の延長等(特許法第184条の4等)

【現行制度】

PCT出願を国内段階への移行は優先日から、国際予備審査をしない場合は20ヶ月以内に、国際予備審査をする場合は30ヶ月以内に行わなければいけない。また、外国語でされたPCT出願の翻訳文の提出は国内書面の提出日までであった。

【改正後】

PCT出願の国内段階への移行期間を一律に30ヶ月に延長し、さらに外国語でされたPCT出願の翻訳文を、国内書面の提出日から2ヶ月以内に提出できるようにする。

【その他改正】

PCT出願において、WTO加盟国においてした出願を基礎とした優先権主張を、特段の国内手続をせずして認める。(特許法184条の3)

【施行期日】

施行済み(平成14年9月1日から)

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